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左派のポピュリズム勢力が権力を握ることになるだろう。

こうした人たちは通商政策で貿易赤字が決まると考えている。
だが、ざっくりいってそうではない。
なぜなら貿易収支は収入と支出の差を反映するからだ。
全面的に関税を導入したとしよう。
このことは国内の競争力のない一部の企業を保護するが、ほかの企業の製品が売れなくなることを意味する。
トランプ氏の提案は、本来なら市場から退出すべきゾンビ企業の再生を目指しているように見える。
こうした保護を講じれば投資先としての米国の魅力は低下し、対外赤字は減るかもしれないが、到底まともな戦略には思えない。
さらに間違っているのは、2国間協定を良いと信じていることだ。
貿易協定は企業間取引とは違う。
すべての企業にとっての取引条 件を定めるものだ。
2国間協定にこだわると、世界の様々な市場は寸断されることになる。
新たな2国間協定のために競争条件がいつ見直されるかわからなくなれば、企業は長期的な戦略を決めるのが極めて困難になる。
愚かな政策は甚大な影響を招きかねない。
米大統領は、望めば事実上何でもできる法的権限を持っている。
だが過去の協定をほごにすれば、相手国は必ず米国を信頼できない相手と見なすだろう。
特に中国は報復してくるはずだ。
米ピーターソン国際経済研究所は、中国とメキシコは合わせて米国の貿易額の4分の1を占めるため、両国と全面的な貿易戦争になれば、米民間部門の雇用480万人分が減ると試算する。
サプライチェーンも分断されることになり、その深刻な影 響は避けられない。
地政学的影響も大きい。
メキシコを追い詰めれば、この30年間の同国の改革の成果が覆り、左派のポピュリズム勢力が権力を握ることになるだろう。


by ngzt223 | 2017-09-02 15:09 | 要素

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